8/21 RED@新国立劇場小劇場

※例に漏れずジャニーズ関係ない話題です。

旬くんと、そして田中哲司さんが出演する舞台「RED」の初日を観劇してきました。

マーク・ロスコシーグラム壁画を主題とした作品で、事前学習として千葉県佐倉市にあるDIC川村記念美術館に行ったり*1しました。
もともと名前と壁画群については知っていたのですが、やっぱり生で見るとぜんぜん違う。ロスコは絵画とそれの存在する空間・絵画を取り巻く環境全てが整ってそれでやっと作品が完成されるという主張の持ち主で、川村記念美術館もロスコの主張が生かされた「ロスコ・ルーム」なる小部屋に展示されています。
乱暴にまとめると「自身の絵にこだわりを持ちすぎて時代に遺されてしまった(と感じてしまった)画家」なのですが、それがどうお芝居になるのか、どういうラストになるのかイメージが湧かず、だからこそロスコとロスコの生きた時代を多少勉強してから行ったのですが……。

もう、すっごいよかった。旬くんはもちろんかっこいいのですが(もうめちゃくちゃカッコ良かった!ちょっと痩せて、髪も切ってる)、田中さん演じるロスコが本当にマーク・ロスコだった。
……血迷った表現をしていますが、語彙があまりないので、こういう表現しか出来ないのです。ロスコの考え、情熱、哲学、それはもしかしなくてもジョン・ローガンのフィクションでしか無いのですが、ロスコが実際に存在した人間である以上ある程度のドキュメンタリー性は兼ね備えている訳で、彼の感じた現代美術への危機感や取り残されることへの焦り、「ブラック」に飲み込まれてしまう恐怖がびしびし伝わってきて、フィクションのはずのお芝居なのにそこにあるのは現実としか思えないフィクションで……。
旬くん演じるケンがいるからこそ成り立つ舞台ではあるのですが、実際に存在しない人間が実際に存在した人間に現実を突き付ける図、というのもなかなか不思議な気持ちになりました。
だからこそケンは残酷で、なんというか……。まだ見てきたばっかりで整理しきれてない所はあるんですが、ケンという名の「ブラック」(ロスコには彼がきっとブラックに見えていたと思う、無意識の中で)に飲み込まれていくロスコの「レッド」が、すごく哀しくて、でも自らのレッドを誰にも理解されなくても抱き続けるロスコはすごく潔よかったと思います。

うーん、現実とフィクションの差が曖昧になっていますね。
その境界すら塗料で塗られていって解らなくなってしまうような、そんな舞台だと初回を見て感じました。
運の良いことにあと数回行くので、何回か反芻したいと思います。初日おめでとうございます。無事の成功をお祈りしております。

続きに心にきゅっと来たところ。多分ちょっとネタバレとあと目情。笑

  • 開幕スーツ。スーツ!!実は戯曲(英文)をだーーーっと分かる範囲で読んでから行ったのでスーツ着てるの知ってたんですけど、生でスーツ見るとその腰の位置の高さたるや。なんてこと。
  • 細かく表情を作るので(当たり前)、双眼鏡が手放せない。でも全体の身振り手振りも見たい、後方席の静かなる葛藤。笑
  • 作業着に着替えてもさらっとしてカッコ良い。なんかのメディアで「ケンは若いから若作りしないといけない」なんて(笑)付きで言っていたのですが、もう本当に若かった。きっと20歳かそこらなんじゃないでしょうか。
  • なんでってもう声がもの凄い高い。『段野竜哉』と比較すると別人なんじゃないかって思ってしまうくらい。当然お芝居には声色での演技も含まれているところではあるのですが、そんな簡単なことに改めて気付かせてくれる旬くんはプロなんですね……プロなんですけども……偉大すぎて……。
  • 旬くんにケンの年齢設定について尋ねたい。
  • 哲司さんも旬くんもめっちゃビーフン食べるのでビーフン食べたくなることうけあい
  • 油画経験のある身としてはキャンバス張るシーンがあって良かったなあと(あるのは知っておりましたが)。布を引っ張るときに盛り上がる二の腕の逞しさたるや。ケンの若々しさ・瑞々しさが二の腕から漏れてました。
  • ライブ・ペインティングのシーンがあるのですが、口がいつの間にか開いてなかなか閉じませんでした。ポカーンとしてしまいました。鬼気迫る2人の様子がいっそ神々しかった。ああいう状態をなんて言うんだろう。凄かった、としか。
  • そこから買ったばかりのスポーツスター8×25で旬くん追ってたら脱ぎやがった。脱ぎやがったーーーあーーー脱いだーーーー!!(声を大)
  • ケンくんは何回かキレるのですが笑、その間ずっと瞬きをしない旬くん。脳裏によぎる、「あのぉこの人昔脳男っていう映画やったんですけどぉ、瞬き全ッ然しないんですよ」というウラバラスのあれ。
  • ケンくんの生い立ちがアレすぎてびっくりした。アレです。
  • ロスコを追い詰めていくケンくんの残酷さが凄いのですが、それを爛々と演じていて哲司さんもロスコだったけど旬くんもいい加減ケンだった。存在しないはずなのにそこに存在していた。

とここまでは本当に純粋な話なんですけど、帰り立ち上がろうとしたら黒い女優帽かぶってらっしゃる方が動いてて「女優さんかな~」って思ってたらそれが潤くんだったり、その隣に斗真くんが座って観劇してたよと2人の席の近くにいた友人から聞かされてンエエってなりました。笑
潤くんは認識出来たからいいものの斗真くんについてはちょっと悔しい、けれど2人が見ていたのを知ってたらきちんと観劇出来ていたかな?とも思うのできっとこれで良かったんです……よね多分。わっはっは。

*1:行ったのは旬くんの「遠足」の4日くらい前……