9/15 RED@新国立劇場小劇場

RED 9/15 19:00の公演に行ってきました。3回目です。

結論から言って、今日はロスコもケンもものすごく荒々しかったです。
荒々しかったと一言で片付けてしまいましたが、乱暴だとか投げやりだったとかそういう訳ではなく、すごく力が入っていたという意味です。
初日はむしろ繊細な演技で、その繊細さが緊張感となって客席にまで伝わってくる感じ。今日は感情をそのまま爆発させてこっちにぶつけてきているような、そんなお芝居だったように思えました。
なにより、ケンの生い立ちを語るシーンで今日は涙がぽろりと零れ落ちていたような。もしかしたら汗なのかもしれないのですが、見ている角度で涙のように見えました。
ロスコにしても、外で絵を描くことがいやというシーンで「あれだ」と(たぶん)台本にないように言ったり。
基本的に話の起点と終点が合っていれば辻褄が合うような脚本なので、話の流れと大きく逸れているわけではないのですが、どのシーンもすごく激しかった。
昨日が休演日だったからなのかもしれないですね。荒削りな感情がむき出しでこちらにやってきたので、初日に思った「ケンがロスコを死に追いやったのかもしれない」という気持ちにさせられました。2人とも子供のようでした。
良かったか悪かったかじゃなくて、「びっくりした」。今はそんな気持ちです。

ふと、今日のケンを見ていて、BORDERの石川安吾を思い起こしました。
石川くんも純粋に犯人逮捕・捜査に身を窶し最終的に悪に堕ちましたが、今日のケンはすごく「純粋だった」。
同行の友人は今日のケンを見て「邪悪だった」と言っていました。
幼さや若さはそれだけで鋭利なナイフを思わせる瞬間がありますが、今日のケンはまさにそれでした。
純粋で、とても綺麗で、だからこそロスコの心に響いて彼をレストランに向かわせた。
自分が殺してしまったのにも関わらず、なおロスコを師として父として仰ぎ、そのロスコから「お前の居場所が外だからだ」と言い放たれたケンの表情が、家の帰り方を見失ってしまった子供のようでした。
先述の生い立ちのシーンもですが、旬くんの、ケンの目に宿ったひかりが、その白がすごく残酷な子供の色をしていました。

今日はそんなことを思いました。お酒の抜け切らない頭でばーっとこれを15分くらいで書きましたが、勢いのまま残しておきます。
あ、今日は吉田鋼太郎さんと山田親太朗くんが観劇されてました。わーって思ってたらあずみを見に来ていた横山裕さんを見かけました。ゆうちんめっちゃ白くて唇赤くてあの人去年の東京ドームで生首っていじられてたのか…とかちょっとにわかには信じがたい…。きれいでした。