「グラスホッパー」を見た

日舞台挨拶に当たるわけもなく、ただ普通に映画の感想です。
気をつけましたがネタバレかもしれないので、続きにしまいました。

原作は遠い昔に買い、私の理解力が足りないせいで全く捗らず放置。斗真が主演するということで改めて頑張って読みました。
そういう経緯があるからか、原作で理解するのに手こずった所ががきちんと整理・再構築されとても解りやすくなっているように感じました。
話の大筋はきちんと「グラスホッパー」で、エッセンスを拾って繋ぎあわせていって2時間に纏めるとああなるんだろうなあ。蝉と鯨の最後とか槿まわりとか、原作のファンの方(特に槿周りについて)はどうだったんでしょう。ちょっと感想が聞いてみたいなあ。

斗真の演技については、すごく階調が豊かだなあ、と思いました。同じ瀧本監督の脳男が「ぱっと見」モノクロ2階調(実はものすごく繊細に暗部が描かれている)ならば、グラスホッパーは「6BからBまで使った柔らかな濃淡」。
ヘンな表現の仕方をしてしまっておりますが、鈴木というキャラクターには俳優生田斗真の演技の明暗が正しく反映されている、というか。
柔らかく笑う斗真というのを暫く見てなかったので、百合子さんとのシーンのふんわりした雰囲気が本当に優しくて。そんな斗真が見れてよかったし、そういう柔らかい一面があるからこそアクションしたり苦悩したりする斗真が際立つのかな。
どちらかと言うと最近はアクションが出来る点をフィーチャーされがちで、一転して鈴木は普通すぎてギャップがコミカルでした。
予告犯の奥田くんはともすれば母性の人でしたが、鈴木は守るべき存在のいる男の人という感じがして、そこも良かったです。

山田様。最初原作を読んで、ちょっと蝉では無いかな、と思ってたのですがそんなこと全然ありませんでした。
山田様のあの幼いのにびっくりするほど綺麗な顔立ちとちょっと足りない背(笑)と鋭すぎる眼光は確かに蝉でした。蝉というキャラクターが持つ二次元ぽさ…現実にはありえない感じ、「何こいつ」って思わせる違和感みたいなもの…をそっくりそのまま実写化した感じ。若いのに異常に強いところ、山田様ぴったりでした。
あと、動き方とか眼の周りの筋肉の使い方とかがすごくすごく斗真で、そして斗真の後ろにいる岡田くんを感じました。
アクションという面、演じる人という面について、山田様は岡田くんの孫にあたるのかもしれない。ちょっと何でどういうことからこの考えに至ったのか今明確に説明出来ないんですけど見たらお解りいただけるかと……。
SPが見たくなりました。

波瑠ちゃんはかわいいし(BORDER石川くんのことは救えなかったけど少年のことは救えたのでぜんぜん違う作品なのにちょっと救われた気分)、鯨と忠信はめっちゃ萌えキャラだし、菜々緒ちゃんの比与子、佐津川さんのギャル、ムラジュンさんの岩西なんかめちゃくちゃ最高。岩西-蝉周りは原作にとても忠実だったしそこを求めて来る方もたくさんいると思うので残してくれてよかった。
あとウロボロスファンとしては竜哉の少年時代を演じた小林喜日くんが出てるのが! ウロボロス世界ではありえない風景を見れて嬉しかったです。それと潤くんのビールの看板。不意打ちすぎて。

ただ残念なことがあるとするならば、他ならぬ私自身が斗真と山田様のファンとしての視点しか現状持てていないので、もうちょっと映画としてどうだったのかとか、そういうところもちゃんと考えたいなと思いました。何はともあれ、見てる最中から次いつ見ようかなとそわそわしたし、出来るものならすぐにおかわりしたいです。
明日行っちゃおうかな……。