慈愛とは彼の色をしていた

そういうわけで、登坂広臣さんのFULL MOON新潟公演に行ってきました。
なんとなくネタバレがあるかもしれないので畳んでおきます。

まず、あの曲も!? えぇこの曲も!? の応酬でずっとヒャーって言ってたんですが、6月にルナフェスでTAKAHIROさんのLouderとSINとTIME FLIESも聞いているので、今日CHAIN BREAKERを聞いたことで雨宮兄弟を実質履修したことになります。(ならないよ)
オープニングアクトスダンナユズユリーちゃん用のピザ、なんなら登坂くんにも持ってみて欲しかった。世界観ぶっ壊れるけど、まず席入って「ピザ?」ってなる時点ですでに何かがおかしいので、持ってみて欲しかった……。
登坂くん、こうなる前はクールな人なんだろうなというイメージがありましたが、クールなのではなく穏やかなのだということが解りました。広くて大きくて穏やかな海みたいでした。今市くんとの対比で、太陽や月、赤と青などの印象がありますが、海のイメージ*1が一番しっくりきます。魚座なので水のイメージが合うのかもしれません。自分もうお座なので勝手にシンパシーを感じているところが多大にあるのですが……登坂くんのほうが年上だけど同世代ですし……というのはさておき。
映像に関して言うと、あれはメタルギアソリッドだのルパンだの言いたくなってしまってめちゃくちゃ楽しいです。スタイリッシュなタクティカルエスピオナージはむしろキングスマンでしょうか。とにかく「そういうの好き」が詰まってる映像。女性との絡み含め。少なくともメタルについては言っていいよね!? 本人好きだって健二郎さんが言ってたし*2。MGSと峰倉かずやで育っているのでああいうの大好きです。見たいをうっすら吸い上げて形にして見せてくれてこの時点で感謝しかないですね。
それはさておき、本人の印象の話に戻りますが、なんて愛に溢れた人なのだろうと思いました。愛は誰でも持っているけれど、その矛先が遍く世界という人はなかなかに稀有だったりして、その時点でも登坂くんはステージに立つべき人なんだなということを思わせる。
そうして彼は、我々のその期待を背負ってステージに立って、歌でダンスで魅せてくれる。この上なく幸せな時間ですね。その場を作り上げられるという努力やセンスに対しても感謝しかありません。
「経験値ゼロのシンデレラボーイ」とはよくつけたものだなあと思います。つらいこともたくさんあったでしょうし、それでも前に立ってくれる人を、私はどうしても尊敬せずにはいられません。
周囲をまばゆく照らし、光の必要のないところには雲で優しく覆える、取捨選択と慈愛の月の王のステージでした。
また、自分の「終わり」についても、その他の話にからめてぼんやりと言っていたことが印象深かったです。永劫続くきらめきはない、と言い切った彼の眼にはどんな未来が見えているのでしょうか。魚座のシンパシーにかけてあえて掘り下げますが、ライブの場でその発言はあまりに極端では、と思います。常に深淵に潜む闇と対峙しているのは魚座の悪いところですが、そこをあえてファンの前で見せてくれたところも、心の奥底を優しく撫でられているように感じました。そして、その眼差しの先を追いかけてしまいたくなるのは、ここまで来たらもう必然です。
ここまでポエミーなかんじで書いてきたけれども、アコースティックの段が終わりかけのときに昨晩のごはんのことになって、こっちはめっちゃ感動してるのに「昨日はみんな楽しそうに酒を飲んでたけど俺だけは茶をね、茶を飲んでいましたよ……」みたいなことを言うのはあまりにずるいと思いました。いとしすぎる。
愛しすぎる彼は、慈愛と同じ色をしているように見えました。愛のあるフィランソロピーはとんでもなく心地が良いのです。
登坂くんをもっとずっと好きになったライブでした。次は横浜!

*1:その場合の今市くんは大地かなあ

*2:ついでにいうとNobody Knowsの幼少期写真でおそらくクロノ・トリガーの箱持ってるのがめちゃくちゃツボ