アイドルの性質って表裏一体

「アイドル」を愛したいタイプの自分にとっては、「アイドルではない」ということを声高に言われてしまうともうそれだけでやるせないものだ。
そのうえ、いま猛威を奮っている映画・ドラマが自分の口に合わなかったときのことを考えるととてもじゃないけど容易に触れることが出来なかった。
何せ自分に自信がない。「人が好きなものを好き」と簡単に思っちゃう。自分がない。
いつか母親に「お前の好きなものはいつも誰か他人の影響でオリジナリティがないよね」と言われたことが心に深く影を落としていた。
たとえ映画が自分の口に合わなくても、4割程度楽しかったら「すっごい楽しかったよ!」というテンションに振り切るんだろう。自分がそうなった時のことを考えると、胃の底がずんと沈む気持ちになった。

テンションを無駄に上げるのは得意だ。でも最近上がりきったテンションを維持するのが難しくなってきた。感情に振り回されて、結局疲れてしまう。一人の部屋でぼんやり、「なんでああしちゃったんだろう」「どうしてこうしちゃったんだろう」と後悔が押し寄せて止まらない。将来のこと、未来のこと、ちゃんと考えないといけないのに、アイドルや俳優の眩しい光で自分自身の現実をごまかしている気分になって、もうどれだけ経っただろうか。

溜め息をついて、さっき閉じたばかりのTweetdeckを開いた。次から次へとツイートが流れていく。botか生身かはどうでもよかった。何か言葉が流動してさえくれればそれでいい。こうやって人は孤独になっていくんだなとぼんやり考える。
テレビでは音楽番組が流れていた。ああこの会場去年VBBで行ったところだな、あの時は本当にしんどかったけど、斗真見れてよかったな……とかなんとか、色んなことを思い出す。
次のアーティストが呼ばれる。さして興味のない事務所の興味のないグループだった。何人いるかも解らない。みんな顔が怖くて、いざ歌が始まってみるとボーカルは2人しかいなかった。そんな人数いるのに歌わないのかよ、という気持ちでテレビを眺め見る。
一人、カメラに向かってめちゃくちゃ挑発的な少年がいた。グループを組んでいる以上ある程度の年齢であることは想像がついたが、顔があまりにも童顔だった。色の浅黒いメンバーの中で、ひとりブルーベースの白い肌が照明に浮かび上がる。餅みたいだった。
その餅が、めちゃくちゃ踊る。青いグラサンを掛けた餅、ガシガシに踊る。挑発的に煽りながらガシガシ。
曲はEDMが過ぎてなにを伝えたいのかさっぱり解らなかったけど、なんかパリピっぽいっていうことは解った。

餅、名前を佐野玲於ちゃんと言った。「さのれおちゃんかわいくないですか」と呟いたら、四方八方は言い過ぎだけど、三方向から玲於ちゃんの画像が届いた。どれもワルガキという笑みを浮かべているか、もしくは純朴そうな少年の笑顔を浮かべている。キメた顔も画面越しに煽られているみたいでワクワクする。
れおちゃんはかっこよくてかわいくて、GENERATIONSっていうの? あーしらはまくんとメンディーさんがいるところだ、へー7人もいるんだ。Apple Musicで配信してるじゃん、聞いてみよ。

数日後私は映画館にいた。
なんかよく解らないテンションで、GENERATIONSのライビュのチケットを取ってしまったのだ。なんで取ったのかとかは解らない。ジェネ高で亜嵐ちゃんが野生の亜嵐を披露していたことに一番の衝撃を受けてライビュのチケットを取ったような気もしなくもないけど、今は遠い昔なので覚えていない(今週の日曜日の話です)。やたら紫のものを身につけていってピアスも紫だったとか、もう全然そんなこと覚えていない(今週の日曜日の話です)。
エンタメにとってのアイデンティティや指標になるものをまた曲げることになるんだろうなと思いながら、エントランスに飾られていたGENERATIONSの写真を撮ってインスタに上げた。

でも、まあ、始まるじゃん。
自分は心底ステージ上の男たちが好きなんだと思った。みんなで歌って踊ってくれたらなおかったけれど。
最初はボーカルとパフォーマーに分かれてるの、どうしたってボーカル偏重になってしまうのでないかと思ってたけど、ある程度はそんなことなかった。とくに私が好きになったかもしれない白濱くんはDJコーナーを設けていたりして、普段の活動範囲でそれをやられてしまうと7割位は地蔵になるのを知っている(かく言う自分も双眼鏡を構えてしまって動けない)ので、亜嵐くんがスクラッチパッドを気持ちよさそうに叩くのと実会場のテンションが一致しているのは文明の進化を感じた。

また、玲於ちゃんのアンコールでの挨拶に本当に胸を打たれた。
玲於ちゃんはダンスありきの人なんだという急ごしらえの知識のみで臨んだライビュだったけど、そんなふうに映ってしまうひとが、「最終的にグループに還元出来たら」と、ちょっとだけダンスから離れる仕事もするよとみんなの前で宣言したのが、あまりにも響きすぎた。
それでいいのか、と思う。思うけど、本人の顔はすごく晴れやかで、どうしても背中を押してしまいたくなってしまう。たいていの芸能人はステージと客席を切り離しているけど、玲於ちゃんだって最終的には切り離しているけど、「ファンのお陰で自分たちが今ここ(ステージ)に立たせてもらってる、みんなに連れてきてもらってる」と言った。有り体な言葉といえばその通りだが、こちらの気持ちに寄り添ってくれる発言にどうしようもなく感動してしまって、たった2時間見ただけなのにちょっと泣いた。

GENERATIONSはアイドルじゃない。特に亜嵐ちゃんも玲於ちゃんも『パフォーマー』だから、その姿は我々に見られるためにある。
我々は、ステージに立つ彼らを見て、色々なことを考えることが出来る。
かっこいい、かわいい、上手だ、キレッキレ、視覚的な情報から、疲れてきてるなとか、ファンアピール苦手なのかなとか、この振りでこの表情でなにを伝えたいのかな? とか。
どうしても、長年アイドルのオタクをやっているので、愛したいなあとか、崇めたい、信仰したい、そういう気持ちに駆られる。
でもそういうのは「偶像」であるアイドルの役割なんだろう。Twitterでさんざん若い子が「GENERATIONSはアイドルじゃないです」と呟いているのを見てきた。
じゃあパフォーマーにはどういう気持ちをぶつけたらいいのか?
そもそもステージは双方向性であるべきではないと思ってるし、なんかLDHめっちゃファンに手を差し伸べてくるのが解らなくて*1、線の引き方、気持ちの向け方に悩んでいる。
そうやって難しいこと考えずに楽しめよ! ということこそがラブドリームハピネスなんだと思うけど、オタクなのでどちらかというと考えたいし、GENERATIONSはとっても頭をつかうグループだと思う*2ので、どうしよう。

でもEXILE TRIBE MOBILEには入った。マイページではTシャツにボクサーパンツの亜嵐ちゃんが寒そうにしている。
ドームおめでとう。玲於ちゃんの言葉は何故か物凄くまっすぐ心に入ってくる。私は玲於ちゃんのことがものすごい好きなんだと思う。……亜嵐ちゃんの顔に抗えないだけで。翔くんと大倉くんとシゲアキの顔を正三角形に並べて、中心に亜嵐ちゃんを置くとめちゃくちゃしっくり来る。安心感がすごい。王子様顔のイケメンが大好き!

ドームは多分行く。もうちょっとセットの技術が上がればいいなと思う。

*1:フリスビーマンにおったまげマン

*2:頭を使わないグループは多分この世には存在しない

12/2 18:00 ARASHI LIVE TOUR 2017-2018 「untitled」

untitledに参加してきました。

今日の感想を書くにあたって、今年の自分の私生活の激動っぷりがどうしても挟まってしまうのでどうしようもないなあという感じです。
やっぱりとにかく嵐は最高で素敵なグループですね。自分のジャニオタとしての活動が嵐から始まっているので、この人達から離れることは無いのだろうなと再び感じることが出来て、その感覚は他には得難いもので、「他には得難い」って言うのが実感として伴うのがやっぱりすごくて……と考えれば考えるほどドツボにハマるくらいとてつもないエネルギーを感じるコンサートでした。

例によって途中で息切れしておりますが、ツアーも始まりたてで曲名をやんわり伏せる(ぼんやりとしか伏せてません)と以下の通りです:

  • 気合入れの声の回数が随分多かった
  • メインステが見えない席だったのでぬるっとはじまってびっくりした
  • ペンライトが赤から緑に変わる瞬間の空気
  • 爆発するくらいのエネルギーからテンション高めの曲へ持っていく力強さ
  • お久しぶりの曲でもっと大爆発
  • お久しぶり中の挨拶で喉が枯れ、それでも叫んでしまいたくなる楽しさ
  • ユニット曲①の意味の解らなさ
  • ユニット曲①の途中で、「あ、今これなら次アレじゃん?」と気付いてしまった時、ステージ上では男と男が猛烈なまでの勢いで絡み合っていた
  • なんだこの曲……
  • 隣りにいた友人(相葉担)「Space Catだ……」とてもわかる
  • ユニット曲②で自分の視界のなかでスッ……と入ってくる自担のお尻の安心感
  • どういう演出で来るのかなあと思っていたのですが、【本編終わり一個前のあの曲】がド直球ミュージカルとするならばこちらはそれをアレンジしたことでおなじみのウエスト・サイド・ストーリーだな……と今書きながら思い、構造の複雑さに唸るとともに松本潤さんの存在を讃えたい気持ちでいっぱいになっています
  • からのユニット曲③だったわけですが、ちょっと古めかしい見せ方と今の流行の最先端を行く感じの混ぜ方の絶妙さ加減が素晴らしいの一言に気付く
  • 二宮和也さん、あなたは、本当に心底自分の求められているものに反応するのがうますぎます。ド直球の二宮和也を浴びてキャーも言えないほどに凍りつくあの時の寒気は病みつきです。好きです
  • そして2曲前のことを思い出すオタク「あっ……これ……えっ……次……」
  • LINEで繰り広げられる電車男
  • こういう類のキャラクターを演じる時、5人中4人がそういう人種とはかけ離れているのでかなり「フィクションの中のそれ」感が出てしまい、それもまた面白いところではあるのですが、内容の古めかしさも相まってなかなか味が濃い仕上がりになっていて、さすがスイーツ部は違うぜ、などと
  • 三者三様に気持ちが悪くてアクが強くて、まさに「untitled」の中の【ユニット曲④】のありかたそのものであると感じました。全てが複雑に絡み合っているのでこれを考えている松本潤さんは、以下略
  • なんでこの類のアテレコがうまいんだろう翔くんって
  • たぶん発声の仕方がうまいんじゃないでしょうか
  • 「あ〜っ! うわ〜! サイコーwwww あっ、翔くんが泣き虫をビームサーベルに……今日日そんな人いなくない? というかそういう世界観だったんだ? あっ落ちた!

監督あの人落ちました! あ〜っ、あっ、あっ……あっ……すごい……本気の“それ”……なるほどねそう………………………??????????????wwwwwwwwwwww」

  • 今日は雅紀が【ユニット曲①】でさまざま(ニノちゃんのせいでイヤモニ外れる、あせっちゃう相葉さん、ニノちゃんは相葉さんの意外にせっかちな点を口にするのが好きだなというあったかムード)あったせいでメガネかけっぱなしで変貌を遂げてしまいそれを潤くんに叱られる。こちらサイドといたしましては、そういう嗜好の、いわゆる加虐心を撫でる方向性のキャラクターであるのだなと考えましたので、それはそれでオッケーだと思いますMJ監督、どうかお許しをMJ監督
  • 智のはみ出たワキ毛
  • それを笑ってる翔くんの撫でている肩と90年代の“それ”の衣装のミスマッチさがすごい。実のところ一番クセがすごい
  • くたびれてる翔くんは本当に輝いてる
  • 「wanna be make love」を着替えコーナーのモニタで見てキャーってする翔くんの図の強烈な磁石
  • なんだったんだこのコーナー、という感情から浮かび上がる「untitled」感
  • 「untitled」感、それは、古い時代のインターネットの「よろずサイト」感
  • 「untilted」感、それは、とくに意味もなく、ないし意味をこめ過ぎて作ってしまったものに対しての「どうすんだよこれ……でも一応作ったし無題というタイトルで自信はあるし見て欲しいし」って時につけるタイトル感
  • ジャンクション映像での相葉さんの息遣いと声の抜きかたが「スターナイト・ヒーリング」の長谷川博己さんを彷彿とさせる
  • 臨兵闘者皆陣烈在前的なフリはいつ見てもいいですね、出来るかどうかはおいておいてやってみたくなってしまいます
  • ここで着ている衣装の上着のひらめき方が猛烈に美しい
  • さっきまでがアレだったせいでギャップにグラッとするのですが、ジャニーズ事務所は「逆冷水ぶっかけ」のバランスがめちゃくちゃうまいなと思いました
  • 脱ぐの!? なんて豪華な衣装の使い方なんだ
  • サテンのシャツで歌うここの曲は大人の男って感じがしてさっきまでのアレが全部消し飛ぶ
  • あ〜〜〜〜っ!!! 【カップリング曲】!!! 聴きたかった曲!!!!! やってくれるの!!!!!! うわ〜〜〜〜!!
  • からの【個人的に思い入れのありすぎるときめき大爆発の曲】は素晴らしすぎる
  • 今は2014年なのかな? と思いつつ、フリをしたり、翔くんが今日はなんだか片足をひょいっとコメディのように上げがちだったのが可愛かったです
  • Japonismで見たときより全然ムービングステージが揺れなくなったので、双眼鏡も構えやすいしなにより翔くんがすごく跳ねていたなあと感じました
  • MC。グッパージャス(嵐が『グッパージャス』地域で育っているんだなというのが嬉しい都民)方式で4対1で雅紀がソロMCをすることに。グーとパーで別れた意味がまるでない
  • (#'◇')昨日スイーツ部の部長から怒られたので今日はケーキを鼻血出そうになりながら3つ食べたのに部長全然食べてないの!
  • ( '◇')あとはそれぞれ宣伝しま〜す。櫻井くんのラ……ラプンツェル
  • (`・3・´)ラプンツェルはマジでやめて
  • 今回アルバムの中で最も聞きたかった曲、入る前の曲のリミックスもだし、なにより演出もすごかった。カメラがどうなっているのかとか、空撮カメラの解像度。モニタに映し出されている映像はPerfumeのSTORYのようでしたが、ちょっとあれの謎が知りたい。どの位置にカメラがあってどうなってるのか? など。Perfumeは2年半前の映像ですがあれをドームの規模でやる意味の解らなさ・一体どういうことなのをちょっとメイキングで語って欲しい。正直今回一番楽しみで、一番かっこよかったと思ったので早く明日にでも円盤出てほしいです
  • 【玉転がしの曲】同じ衣装を来たJrくんたちがワラッと出てきてCMの球のようになるのは人力とジャニーズイズムを強く感じてめっちゃ好き
  • 【抽象的な曲】抽象的なタイトルで普遍的なものと嵐という存在についてを絡めて歌っているのかなと聞いている段階では思っていたのですが、5人の衣装の白さ・(少ししか見えなかったけど)スクリーンの映像の教会っぽさ・Jrの衣装などから「彼らは本当に神の御使いのようにそばにいる存在なんだな」ということを明示されてとてもよかったです。そういうあり方をしていてくれる5人がますます好きになりました。ステージと客席で明確に線引きはされているのですが、そうじゃなくて、同じ空気吸ってる感というか。同じ空見てる感というか。その距離感を保ってくれる嵐がやっぱり一番大好きだ、と泣きそうになりました
  • ここから先の数曲のことはあまりよく覚えていない*1
  • その中で【大好きなエモ曲】をやってくれたので嬉しかった
  • 【久々?のあの曲】今回のセットリスト、痒いところに手が届いてる感じと、総合的に見てタイトルのつけにくい感じと「untiltled」感が強くて好きです。欲を言うならSakuraもやってほしかった(欲深いオタク)
  • 【ここでそうくるか】のあとに【本編終わりの一個前の曲】をもってくるのは、もう途中からうっすら解っていたのに、実際やられるとぐっと来ますね
  • ユニット曲①の組と②の組で別れているのはここの譜割りへの伏線なのだなと思うとコンサートありきでつくられたアルバムというのがすごくよく解って、その作り込まれっぷりに松本潤さん以下略
  • 見せ方として、ミュージカルというかララランドって本当に流行ったんだな〜っと思いました。ララランドは見てないのですが見せ方として大好きだということが今年「Man About Town〜Puttin' On The Ritz」(ヤンフラの)のおかげで解ったのでもっとこういうのもやって欲しいです。「untitled」全体的にそれっぽかったのも好きだと感じる一面なのかもしれないです
  • 嵐について考え事をしすぎていて挨拶の内容が吹っ飛んでいます
  • からの【リード曲】は、DIGITALIANの「キミの夢を見ていた」を髣髴とさせるような、この先もまだ続いていくんだというのが解るような仕組みでやっぱり松本さん略

忘備のために書き出しましたが思い出したらまた書くことにしましょう。
この後、お察しくださいな出来事があって正直全部吹っ飛んでしまいました……隣で猛攻を受けて立ち上がれなくなった友人の姿は見たことがあるものの、いざ我が身に降り掛かってみると本当に立てなくなってふぁ〜って思うもんですね。直撃ともなるとちょっとダメージがでかくて、はあ……。

入るたびに思いますが「一生この人達は我々を裏切らないし私が離れることもないんだな」とか「グループ数あれどやっぱり嵐(と自担)が一番」と思わせてくれて、惚れ直させてくれる嵐は偉大です。まとめてしまいましたがこの感覚がある限り私はずっと嵐メインの嵐担なのだと思います。
また、繰り返し書いてしまいましたが、アルバムとコンサートの見せ方が複雑に絡んでいて、松本潤さんの頭の中ってどうなっているのかと思いました。その度に松本潤という人間を好きになります。そもそもジャニオタになるきっかけが潤くんなので、本当に潤くん大好きだなすごいなと思います。翔担なんですが松本潤のことを本当に尊敬しています。あんなに気を使ってもらって、こんなに幸せにしてもらって、嵐のファンでよかったと思いました。

ここから先は本当に私情ですが、実のところ去年の夏頃から体調を崩し、今はかなり良くなりましたがまだ治療を続けています。
ショックな出来事も多発し発生させたりもしたおかげでかなり記憶が抜け落ちたりしています。その頃に参加したものの楽しい思い出そうとしても辛いビジョンが浮かんで思い出せないのが結構しんどかったりします。
そんな中NOROSHIと関ジャニズムツアーでやっと自分がずっと無理をしていたことに気付き、冬の終わりから活動をして春の最中に決まりが出て慌ただしい生活を送ったりしていました。
こういうのも新生活って言うのでしょうか。結婚とかそういう大きなライフイベントではないので些細ですし「逃げ」だと言われたらそれでおしまいかもしれません。きっとこういう話をアイドルの誰かにしたならば、「続けることにこそ意義があるんだよ」と声をかけてくれたに違いありません。いつの誰のラジオか忘れましたが、やっぱりこういうような悩みにそう答えていたことをよく覚えています。
結果としてそれが決定的な呪縛になったとは言いませんが、頑張っている人を見続けるのに自分が頑張らないでどうすると強く思い続けていたのが自分の精神にはあまり合わなかったんじゃないでしょうか。もしくは「続ける」というステージに立たせる以前の問題だったか。
私は、自分から逃げたくなかったので決まりをつけました。ずいぶん長くしていなかったのではじめはガッチガチだったのですが、やっと最近肩の力が抜けてきたように思います。
そういうタイミングでこの「untitled」に参加することが出来て、今はコンサートがどうの、というよりも参加することが出来て嬉しい気持ちがいっぱいです。そりゃ参加出来たら当たり前のように毎年嬉しいのですが、特に今年は大変だったので喜びもひとしおっていうやつです。多分ご褒美だったんだな、と思うことにします。
ひと一人の人生にタイトルをつけることは難しいし、コンセプチュアルなものにも「タイトル」という枠組みになるとかなり絞られてきて難しい。それでもその中で「好きに生きている」と思えるような、そんなアルバムです。めちゃくちゃなところも、乱暴で。笑

あと関係者席でめっちゃうちわをメンバーに向かって扇いでる黒い人がすごい目立ってましたネ〜〜

*1:お察しください

11/18 泥棒役者初日ライブビューイング

マルちゃんがやるよ! ってだけで、どういうストーリーなのかも特に追わず見に行った『泥棒役者』がすごく面白かった。
嘘の上塗りをしていくということだけは解っていたので、そういったハラハラするものが少し苦手な自分でも最後号泣してしまうくらいには良かった。
はじめの過去はかなり厳しいものだけど、誰でも痛い腹というのは抱えていて、それでもみんななんとかして生きているんだよということが、すごく温かみをもって描かれていたのでかなり心打たれる。
西田監督というと自分はタイバニくらいしか触れてこなかった*1けど、タイバニで感じた優しい手触りが実写でも強く感じられた。
どのシーンも心に響いた。優しいカップルのはじめと美沙なんかマルちゃん担の方が見たら暴発するんじゃないかってくらいマルちゃんの彼氏感が強かったし、前園先生のアクの強さとか、そこからずっと話がずれるところ、轟が出てきてもっと拗れるところ(ユースケ・サンタマリアは舞台挨拶でも「ああ」だったけど大天才だと思う、そしてそう言わせてくれないのがまたユースケらしい)もすごく好き。共感性羞恥がかなり働く方なのでヒヤヒヤしたけど、今思えばそれもかなりのスパイスで絶妙だった。
それでもやっぱり最後の方の「また……」と前園先生が言いかけてはじめがドアを閉めるシーンが好き。2人に未来はあるかもしれないけど、なくてもいい。はじめや前園先生にはまだこの先の未来があって、あの家で起きた出来事はきっかけでしかない。そこに触れるのはまだもうちょっと先でもいいってすごく希望が持てるし、なによりはじめに初めての友人が出来たんだなと思うと、よかったなあと思う。
そこからそのまま則男と決着をつけるのもかっこよかったし、美沙との最後のシーンも、ある程度予測できるけどその予測通りに行って話がハッピーエンドで終わって安心した。最近髑髏城以外は「あんまりハッピーではないな……?」と思うものをずっと見てきたような気がするので、話の終わり方に安心出来たことになんだか感激してしまった。
そこから『応答セヨ』が流れてきて涙腺が大爆発して、左右両隣の知らない観客の方々が割とぐすぐすしていたので私も思う存分泣いた。
メガネをかけていたので、最初の『丸山隆平』の名前を見てメガネ上げてぐすぐす、涙を拭いてウワ〜ッとこみ上げて来てまた拭く。
ノリオが出てきたので慌ててメガネをかける。後日談だ、普通に働きはじめたんだ、うっよかったノリオもまっとうになっ……タマのキグルミやってるんだ! かわいいけど大変だけどかわいい仕事についたねノリオ、がんばっ…………………
理!?
は!? えちょっ小野寺弟 えっ 理!? 理 理!?!?!??!?!?!?!?!?!
理、あっ理! 野心に生きるにゃ遅すぎる 女に生きるにゃうぶすぎる 夢に生きるにゃ切なすぎる 過ぎたる我が身の亡八稼業〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!!!!!!!!!

私の涙はぴたりと止まった。舞台挨拶めっちゃ面白かった。
古のテキストサイトみたいなことをしてしまった。鳥ドクロの千穐楽行って熱がずっと高いのでつい……。

*1:と思ったけど魔王も怪物くんもベムも信コン映画もそうだった

6/1 13:30 蜘蛛女のキス

記事の内容が前後しておりますが、6/1に蜘蛛女のキスに行ってきました。

ここであまりネガティブなことは書かないと決めたので中略しますが、エイタメ東京に入りそのあまりのかっこよさにやられてオーラスも探して入りました。
そこで見た「Rather be dead than cool」にいたく感激いたしまして、私はどうやってもこの人から逃れることは出来ないのだと悟り、からの新年会・主演舞台発表だったのでこの上半期大倉忠義という人間について鳥肌が立つくらいにかっこいいことが目まぐるしく起こったのが本当にドラマみたいでかっこいいですねこの人。

私が見たのはたった1公演だけですがそれでも行けて本当に良かったです。
ヴァレンティンの持つ若さゆえの未熟さをあんなに表現できるなんて、まだ全然大倉忠義という人間について何も知らなかったんだなあと思いました。
未熟さももちろんですが、革命家という肩書の持つ重さ、時代背景、昇華できていない少年らしさ、シニカルでいないといけないところ……そういったものがヴァレンティンの、大倉くんの声から表情から動きから全てから読み取ることが出来て、そういう芝居を生で見ることが出来てなんて凄まじいものを見ているんだという気分でいます。

はじめのうちは謎めいている2人の掛け合いも、それこそが蜘蛛の糸を手繰るようでその感覚すらドラマティックで鳥肌です。
少しずつ話や世界の全貌が解るのって、物語を紐解く上で当たり前のことなんですが、その当たり前がとても丁寧に描かれていてやっぱり鈴木裕美さんの演出は素晴らしいなと思いました。フランケンシュタインもすっごく好きだったので。

髑髏城の七人 Season花

髑髏城の七人 Season花 全85公演、本当にお疲れ様でした。
改めて数字にしてみると85公演って大変な数ですね。3ヶ月、ずーっと「豊洲に行けば旬くんがいる!」と思って生活していたので、なんだか軸が無くなってしまったように思えてとてもさびしいです。
私はあまり通えていないので「軸かよ?」という感じでもあるのですが、そこにあって当たり前になってしまったものが無くなってしまった感覚というか。
終わって寂しくない舞台なんて無いんですけどね……。

思えば、ハナドクロについては、蕾だった捨之介が花を咲かせるような印象があります。
もちろん過去を背負った捨之介がしがらみを捨てて立ち向う話でもあるのですが、今回の旬くんの捨之介……と言わず三人組は艶やかで色っぽく、華やかでした。

ももうとにかく捨之介から滲み出る美しさがファンとして堪らなかったです。
初日からすでに綺麗だったのに、回を経るごとにどんどんそれが色濃くなっていって、千穐楽でついに咲き誇ったように見えました。
登場時の口上ももちろんですが、ラストの「よせよせ、ガラじゃねえよ」の晴れやかな顔といったら! 85公演の締めくくりとも言えるような表情に見ているこちらまで込み上げてしまいました。
正直なところを言うと、プレッシャーがものすごかったんだと思います。初日からずっとかっこよかったですが、どんどん吹っ切れて行ったんだなぁというのが伝わってくるようでした。
すでに決まった形のある『捨之介』を、最終的に上手く乗りこなしていって、最終的に完成させたように感じられたのがほんとにもう、この人のファンをしていてよかったなと思いました。

  • 初日よりどんどん兵庫の見栄に突っ込んでいってるように見えてほっこり。
  • ヤマコーさんはもちろんずっと艶やかで高貴で不器用な蘭兵衛でしたが、あの緻密さはやっぱりすごいですね……。
  • なのに最後はしゃいで帰っていくのが可愛かったです。特に千穐楽でみんなハケてくのに一人振り返って拳突き上げちゃうところとか。
  • 成河くんの天魔王は、どこまでも深い闇を覗いているようで怖くて大好きでした。ハナドクロでは「三兄弟の末弟」なんて言われてましたが、末子であるがゆえの天真爛漫さと狂気が見えて怖かった!
  • 千穐楽では上で書いたヤマコーさんとそれにつられて振り返っちゃう捨と兵庫を取りまとめて「早く帰るよ」ってやってたのがなんとも微笑ましい。
  • 兵庫と沙霧がどんどん仲良くなってくのもかわいい。
  • 最後、川の向こうに消えていく捨之介とそれを躊躇いなく追う沙霧のシーンがとても好きです。捨之介は自分の過去と戦って向き合って最終的にそれに勝って過去を捨てようと……一人で生きていこうとするように見えていて。
  • あのセットの作りで言うと川の向こうは襲撃にあいもう無くなってしまった無界の里で、つまり死後の世界を暗喩してるのかなと感じていたのですがどうなんでしょうか。
  • そんな捨之介を迷いなく追えるのは、あの世界に沙霧しかいないのだなあと思うと、本当にあの2人の関係性が素敵です。
  • 「役を乗りこなしてる感」で言うとやっぱりまさとさんと古田さんがダントツですね。いつから草間彌生になったんだろう?
  • 青木くんに最後着物の裾捲くられちゃってるのがかわいくて、更にそれを払う様子もわちゃわちゃしててかわいかったです。笑
  • カテコでお煎餅忘れたりとキュートな座長さん、最後手で双眼鏡作って座席を眺めたり手を振ったりしていたのですが、ちょうどその視線の先に斗真がいたように思えてならず、オグトマコンビは事務所を超えたシンメだよ過激派の私は消し炭となったのでした。何回見に来たんだこの人。ちゃんちゃん。

6/10 NEWS LIVE TOUR 2017 NEVERLAND

あるいは最後にして最初のアイドル。

アルバムを聞いてもPVを見ても鍵を手にしてもなかなか「何故NEVERLANDなのか」が解らず悶々としていたのですが、実際にツアーに行ってみるとすごくテーマがしっかりしていたので入れてよかったです。心底思いました。
昨今、アイドルは「アイドルだけ」ではなくて「アイドルだけど○○が出来る」みたいなのが求められがちだなあと思っていて、それはNEWSの4人にとっても同じ――小山さんはキャスター、まっすーはデザイン、シゲアキは小説家、てごにゃんはサッカーやバラエティ――であるのは間違いない*1のですが、それぞれ見たり行ってきたりしたものを『ド直球のアイドルとしての表現方法』という形で還元したらああいうコンサートになるのではないでしょうか。
ネバーランドは幻想の中のおとぎの国です。NEWSというグループにとって、アイドルのコンサートとは本来そういう【日常とは別の世界】の【幸せで楽しい】理想郷を指していて、また変わりゆくアイドルの形に対してのNEWSなりの答えなのだというように感じました。

*1:そう思うとマスシゲの視覚的情報に訴えるグループとコヤテゴの心理的に訴えていくグループに二分されるのがちょっと面白いですね

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セーラー服と機関銃 -卒業- を見た

突然『セーラー服と機関銃 -卒業-』を見た。
もちろん前作に関する知識は無い。長澤まさみverも見ていない。先に見た友人が抜け殻のようになったので興味を持った。
 
 

トーリー

高校3年生の星泉は実はヤクザの組長だった。
活動している市で違法クッキーが蔓延し始めた原因を突き止めようと動く泉。泉を手助けする別の組のヤクザ・月永。2人は手を組みクッキーの出処を調査していくが、市長選の裏で暗躍するデザイン事務所所長・安井によって罠にかけられ、ピンチに陥る。
果たして泉は市に平和を取り戻すことが出来るのか。
 
 

面白かった

正直あまりに荒唐無稽すぎてファンタジーなのだけど、ウェブサイトのつくりから見るに多分やっぱり若い人向け(追憶とは逆の年齢層というか…)だったんじゃないかと思うので、あのくらいファンタジーでご都合主義で無意味なシーンがあって十分なんじゃないだろうか。

導入から、突然ヤクザの話に行くまでも少女マンガのモノローグを読んでいるようでテンポがいいように感じられたし、最初月永と出会ったときから泉は月永のことを「年上のかっこいい男性」と感じているのも解った。

というかハシカンの身体つきが幼かったり肌がぷるぷるしていたり足をばたつかせたり、みずみずしい身体が大爆発していて、その中でハシカンの体当たりであろうことが感じられる演技とかがまた爆発してて、ものすごいハシカン映画だった。ハシカン最高。でもどのシーンもいやらしくなくてハシカンの声がどんどんハスキーになっていくのもものすごいかっこよかった……。

自分が好きな演技かと聞かれたらううーんなんだけど、でもあの全力さと勢いはすごい。AX*1のあの狭さで見るフラッシュライトくらい目がちかちかして圧倒される。それが演技なんだとしたらもっと恐ろしい。そういうことを全編に渡って知らせてくる。

長谷川博己がもっとすごい。解っていたつもりだけどやっぱりすごかった。そういった少女の気持ちを8割位受け止めて、自分のやり切れなさも表現して、それこそ「月」のようにずっとこの映画に君臨してる。
ひんやりとした少女の憧れを抱いたまま永遠になってそのまま道標になるだなんて出来過ぎにも程があると思うのだけど、でもそれをやってる。息を吐くくらい普通にやってのけてる。
そもそも「月」で「永」なんて、泉の人生の永遠の月だなんてものすごいネーミングだと思う。でもすごいぴったり。とてもかっこいい。すごかった。
 
 

トーリーで好きなシーン

泉の、「女子高生・星泉」としての日常を描くシーンと「目高組四代目組長・星泉」の非日常の対比がよかった。オラつけるのにやっぱり市長候補の大人にはいいように使われてしまうとか、最終的に彼女が帰っていくのは日常の世界、というのもなんともおとぎ話的でときめく。
 
 

視覚的に好きなシーン

泉と月永が一緒にいるシーンはずっと好き。ずっと綺麗。
というか全編初夏っぽい照明で綺麗。暗がりだったのに一気に昼になるとか、ハシカンだけにスポットライトが当たるとか、そこだけ雨が降ってるとか、主人公としての輪郭を際だたせるような照明と演出がすごい効果的だった。
一番はやっぱり終盤の泉に抱きかかえられながらキスをするところ。世界に泉と月永の2人だけみたいに感じられる。
 
 
泉を取り巻く世界が一度終わってしまうというところでは、すこしセカイ系っぽいかもしれない(というかアイドル映画はみんなそういう文法なのかも、ピカンチとか)。
お話の中では、少女時代はいずれ終わってしまうものだし、今回タイトルに「卒業」と入っているのでそういうことなのだと理解した。
泉は日常の世界に帰って、女性として過ごしていくけど、ふと立ち返った時に思い出すものが機関銃の硬くてひんやりとした感触だったり、押入れに収納された神棚のお線香の香りだったりする。
セーラー服と機関銃、タイトルだけは有名だけど実際見てみてそういうことなのかと理解出来たので、余裕があったら原典も見てみたい。